自家採種(自家増殖)
津軽米屋では秋に、自分が栽培している無農薬無肥料の稲穂から脱穀した籾(種子)を取り、翌年の春にその種籾を播種して苗を作り、お米を作っています。これを自家採種(自家増殖)栽培といいます。
種から種へと繋ぐ自家採種は自然の摂理であり、自然栽培の基本とも言えますが、自家採種は「素性の知れない種子」として扱われ、種子更新を証明する書類がないお米は、農産物検査を受ける条件に当てはまりませんので未検査米に分類されます。
近年注目されている在来種・固定種・伝統野菜と呼ばれるお米や野菜などは自家採種(自家増殖)によって守られてきました。誰かが自家採種して繋いでいなければ消えていた品種たちです。今、お店に並んでいる米、野菜、食肉(鶏・豚・牛)などは、成長良し・食味良し・見栄え良しのF1品種(雑種第一代)が多くあります。F1品種とは一代限りの作物や動物などです。たとえば、F1品種の農作物から自家採種して種をまいても、多様な性質を持った作物が育つため、一代目と同じ優秀な遺伝子を持つ確率はかなり低くなります。結果、品種がばらつくため、F1品種は種から種へと繋ぐことができないのです。

自家採種した無農薬栽培の種子消毒は、農薬を使わず「湯芽工房」という装置で「温湯種子消毒」をしています。温湯種子消毒は、種子伝染性病害のいもち病・苗立枯細菌病・ばか苗病に対し防除効果があります。